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Michiko Kurita
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ダイアモンドプリンセス号以降、岩田先生のおっしゃること、ご著書、ネット番組でのご発言などに傾注している在ベルギーのライター・ジャーナリストです。今回のこのブログでのご発言は、先生も、多くの仮説に基づくと最初におっしゃっていますが、ベルギーやスウェーデンなどのコロナ対応を、死者数を基本的根拠に、「失敗国」とかなり一元的に結論づけておられたので違和感を持ちました。確かに、死者数では多いです。でも、ベルギーでは、医療飽和による診療拒否・閉鎖は起きていません(もともと医療体制に余裕があり、ピーク時でも集中治療室の占拠率などが50%以上にならなかったことなど)、周辺国のようにドイツに重篤患者を搬送してみてもらうことも一切ありませんでした。先生がとりあげた、ベルギー首相が大学病院を慰問した際に関係者が背を向けて抗議したという映像も、AFPがビジュアル的に面白いので拡散してあっという間に世界に出てしまいましたが、ピークを過ぎた安ど感から、アメリカなど暴力的な抗議運動が高まったのに比べ、とても「静かな」抗議で、民主主義が根付いているベルギーでは、翌日には首相がその抗議に対応して、医療関係者への待遇改善策を提示して、もちろん、充分とは言えなくても、基本的な政府と市民の信頼があるからこそできる抗議と対話を具現しています。静かに抗議すれば、きちんと聞き入れられる国なのです。また、先生が全く触れられていないのは、「コロナ死」の定義の違いです。こちらの専門家委員会は、初めから、「ベルギーでは、肺炎、脳血栓などで亡くなった場合、コロナ感染が確定していても、していなくても、すべてコロナ関連死と勘定に入れるかなり拡大計算をとっているから、定義のことなる他国と比較して論じないでほしい」と明言していました。この広い定義は、WHOや欧州CDCが推奨していたもので、この頃になって、例年同期の超過死者数との比較では、ベルギーは差がほとんどなかったことがわかっています。これは、欧米での報告コロナ死者数と例年同期の死者数とのギャップの話であり、日本やアジアの死者数の少なさを説明できるものではありませんが。なお、初動の悪さ、という結論については、私ははっきりした反論はできません。が、ベルギー、スウェーデンなども、専門家委員会の立ち上げは1月。コロナ患者が特定でき、死者が一人出た時点で緊急事態を、一けた台の時点で封鎖対策をとっています。フランスでは昨年末にはすでにコロナ感染者がいたことが確かに確認されていましたが、実際に指数的爆発的感染が出たのは、2月末のカーニバル休暇から10日後以降で、12月や1月時点では指数的な感染拡大になっていないのは事実です。この指数関数的上昇を、単なる初動の悪さでどう説明するのかは、私にもわかりませんが。勝手なコメントでした。もし、よろしければ、私が書いたもの、スウェーデンの仲間が書いたものなどへご案内させていただきたいです。医学的分析ではないですが、感染症・疫学の専門家委員会と、封鎖解除の別の委員会が、毎日毎日定時記者会見とサイトでどのように定点データを開示していったかなど、もしかしてご存知ないかもしれないのでご案内したいです。
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Jun 24, 2020