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貴殿にはあまりご興味のない側面かとは思いますが、管見する限り
「生命と市民的自由の両方を守ることに成功したのは日本だけ」
とは言えるのではと思います。
自粛や同調圧力で不自由だったじゃないかという反論はあるかも知れませんが「自粛」は自由意志の発現の一形態であり、同調圧力は政府による命令ではないから同調圧力なのですから。
なぜ、国ごとに差が出たのか。そして第二波がどうなるか。
現在、準備している文章の一部です。長いです。 以下に述べることは多分に仮説に基づいている個人的な見解です。 基本的にぼくは診療のプロで、予測のプロではないために、未来予測はしないことにしています。臨床屋がやるべきは「想定されるシナリオを全部想定して、そのすべてのシナリオに対する最適解を模索する」ことです。なので、予測の欲望には抑制的であるべきで、「未来はこうなる」とは言わないものです。 しかしながら、今回はその定石をあえて選択せず、ある程度未来予測めいたものについても言及します。すなわち、「第二波がどうなるか」です。なぜ、未来予測めいたものを述べるに至ったかは、本稿をお読みい...
> これがすべてコロナのせい、というのは議論をすっ飛ばしすぎである。かといって「これはコロナとは無関係である」と断じてしまうほどの根拠もここにはまだない。当然、吟味検討は必要であり、「気にすることはない」はずがない。
その通りだと思います。
しかし、そんな緻密で手間のかかる注意深さを要求されることを社会の大多数の人が当然に行われることを期待するのは幻想です。
知性のある人すら恐怖に囚われればヒステリーを起こします。
そこから貴殿がいうところの「官僚の言い抜け」が必要になります。
私は別段、いい抜けだとは思いません。
なぜなら注意深く読めば分かることですし、事実に反しているとまでは言えないのですから。
「事実は事実」だとしても事実を表現するには無数の方法があり、事実のどの側面に重点を置くかにも無数の組み合わせがあります。
そしてその中のどれを選択するかによって、社会への影響は異なります。
そしてその選択の結果に責任を持つのが政治であり、高度の技巧を要する営みなのです。
自分好みの「事実」の表現のしかたしか気に入らない、事実そのままではない、というのは子供っぽいわがままですらあります。
事実と判断(あるいは評価)の間
神戸大感染症内科の回診に参加された方はご存知だと思うが、患者のアセスメントがしっかりなされることが強く要求されている。アセスメントとは「患者に何が起きているか」という命題についての話者(学生や研修医)の判断だ。 判断は、事実を根拠として行われる。判断の前提は事実の十分な吟味である。 事実ー>吟味・判断ー>アクション となるべきなのだ。 ところが、このアセスメントが日本の医学生や研修医は非常に弱い。実を言うとシニアなドクターでも苦手な人は多い。なぜかというと、多くの人達は、 事実ー>アクション に先走ってしまうためだ。医者が概ねせっかちだ、というのもあるが、判断(事実吟味)よりもアクショ...
430万人もの感染者がいて現在の状況とすると、Covid-19の致死率はインフルエンザよりも低く、しかも東京都が集団免疫を獲得するのは目前ということにはならないのでしょうか?
この点について掘り下げた記事は広く公衆に有益なものになるのではと思います。
慶応のPCR6%の意味
慶応大学病院が無症状の患者67人に新型コロナウイルスSARS-CoV-2のPCRを行い、4名が陽性であったと発表した。6%である。 これだとnが少ないのでシンプルな二項検定を行うと、95%信頼区間は 1.7%-14.6%となる。東京都民の1395万人に当てはめると 237,150人-2,036,700人となる。今朝(4月23日)見た、PCRで陽性になった感染者の累計が3,439人だから、実際の感染者はPCRで把握されている患者の69-592倍いる、ということになる(追記。これは観察期間が違うので不適切な分数でした、すみません。実際はもっと大きな数になります。慶応の検査実施期間が報道では...
幸にして本日現在も感染爆発には至っていません。
無論、今後についてはまだ予断を許すものではありません。しかし、ここまでその遅延に成功しているのは既に大きな成果と呼べるのではと思います。マスクや人工呼吸器の生産も特効薬・ワクチンの開発も時間をかければ可能なことなのですから。
してみると、日本においてここまで感染の遅延に成功したことはそれ自体考察の価値があるのではと考えます。
貴殿によるそのような考察がもし将来あるならば、是非読んでみたく思います。
なお、愚考しますに「自粛」という甚だ強制力の弱い措置(社会的圧力等があるにせよ本質的には自由です)がかえって効力を発揮したのではないかと思うことがあります。
つまり、我々の国では「あれをしたら捕まえるぞ罰金だぞ」ということは一つもない訳ですが、だからこそに我々一人一人が素人なりに日々接触を減らす方法、ウイルスを寄せ付けない方法をできる範囲で考え・実践することになった。それは例え強制措置があるとしても「禁止されていないこと以外は自由」であるままの諸外国の方法よりもかえって効果が大きかったのではないか、と思うのです。
ご笑覧いただければ幸いです。
なぜ日本ではコロナウイルス流行が(それほど)起きていないのか、そしてなぜ東京で増えているか。
今から申し上げるのは完全に仮説です。科学的営為は仮説生成と仮説検証からなります。ぜひ検証したい、してほしいと思います。 Here what I state is just a hypothesis. Science consists of hypothesis generation and hypothesis evaluation. This hypothesis also needs evaluation. I would like to do it and somebody also should. I do not have time to write an English v...
> 知らん。ぼくにとっては必要なのは一貫した患者の扱いであり、検疫法で扱った患者と、感染症法で扱った患者の診療の仕方が異なる、というのは関係部署の調整不足とハーモナイゼーションが足りないだけの、失敗した行政だと考える。それを「担当が違うから」と賢しらに言うのは形式主義者の官僚の論理であり、医学医療はそのように扱うべきではない。
それは厳密にいうなら「失敗した行政」ではなく「失敗した立法」ではないかと思います。
そして日本は法治国家であり、たとえ失敗した法律でもそれがそこにある以上は守る必要や破らない工夫、あるいはそれを改正する政治が必要です。
「知らん」と言い切ってしまっては研究はできても実践はできますまい。
法律なんか関係なく、感染症対策として合理的な物を追求する。
それはそれであるべき視点と思いますが、現実社会の制約(経済、制度、政治、文化、習慣)との調和を考慮しない指針は机上の空論に止まると思います。
緊急事態宣言はロックダウンではない、は詭弁
安倍首相が7自治体の緊急事態宣言を出したとき、「これはロックダウンではない」と述べている。 各メディアもその解釈を追随した。「改正新型インフルエンザ対策特別措置法の緊急事態宣言は政府が対象区域を示し、具体的な措置は都道府県知事が行う。知事は同法45条1項に基づき外出自粛が要請できるが、海外と異なり無許可の外出に罰則を科すような強制力はない。通勤や通院、食料の買い出しといった暮らしに欠かせない目的であれば自粛を求められない」(日本経済新聞4月6日)。 しかし、これは間違いだ。詭弁、といってもよい。 ロックダウンは「概念」である。具体的にはある地域の内外の移動を止め、その地域内での外出を止...
クルーズ船の状況については、一般には知られていないことが多いもの、報道から知り得たことを元にして苦言混じりの疑問を呈します。
「が、そもそも正当な意見を述べただけで混乱する現場、そのものが問題」
それが「正当な」意見であったのか、本当に「述べただけ」なのでしょうか。
それは私のような外野のものからすればあなたの個人的見解にすぎません。
例えば「正当」というのは感染症対策についての学問から見て正当であるだけでなく政策実行や社会の営為の観点から見ても正当でしたか?
対策の実施にあたっては現実の制約があります。
船舶の運航にあたってはあなたは専門家ではないものと考えます。
その専門家である乗員の立場や彼らが価値と考えるものを理解しようとしましたか?
また、行政機関が民間の業者を指揮するのに(それも、法的には日本国の領域とは言えない場所で)必要な法的な知識や経験はあなたはお持ちでしたか?
現実の社会の営みは多くの分野の専門家の知見が相互に作用しあうものです。
組織の中で、自己の専門分野の関心にだけ固執し全体の最適を顧みていないと考えられる意見は「現場を混乱させる」ので排除されます。これは日本に限らず万国共通でしょう。
あなたが他の分野の専門家をないがしろにした結果、下船を命じられたのか、あるいは理不尽な排除を受けたのか私自身は判断を留保します。
しかし、あなたの専門的知見は正しく用いれば国家と社会にとって極めて有益なものであるといくつかの報道・情報により確信したので敢えてコメントを残します。
「感染症は実在しない」あとがき
昔書いた「感染症は実在しない」を集英社から仕立て直して出してもらうことになりました。「あとがき」を追記したので、どうぞ。 あとがき 英国がCOVID-19対策で、他国と異なる対応を取ると表明したとき、世界は驚いた。国民の多くにあえて感染を許容させ、集団免疫をつけさせようというのだ。かなりの「奇手」と思った(英首相の「降伏」演説と集団免疫にたよる英国コロナウイルス政策(小野昌弘) - Yahoo!ニュース [Internet]. Yahoo!ニュース 個人. [cited 2020 Mar 19]. Available from: https://news....
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Mar 21, 2020
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